12月 23, 2022
認知症ケアに大切なコミュニケーション

認知症は本人はもちろん、家族にとっても深刻な問題です。認知症になってしまった家族と同居している場合には、毎日の生活が患者本人の症状の程度によって大きく変わってしまいます。暗い気持ちになってしまいがちですが、正しくコミュニケーションをとることによって、その後の生活は大きく違ってくることをご存じでしょうか。

認知症の高齢者と正しくコミュニケーションをとる方法にバリデーションがあります。簡単に言えばどう向き合って認知症ケアしていくのかということ。それは、よく話を聞いてあげることです。「認知症だから意味の無いことを話しているのだろう」と決めつけないことが大切です。

次に相手のペースに合わせること。相手が楽しそうだったらこちらも楽しく、悲しそうだったら悲しいことをわかってあげましょう。何を言っているのとか叱ってはいけません。また、押し付けないことが大切です。認知症の方は行動が鈍く、遅くなることがあります。それを急かしたり遅いことを叱ってはいけません。相手のペースをよく考えて言葉を選びましょう。最後に、大切にしたいのが「嘘はだめ」ということです。何もわかってないのだろうとそれとなく誘導して言うことを聞かせようとしてはなりません。

嘘もいけませんが、相手の要望をはぐらかすような誘導はしないようにしましょう。基本的に認知症の方は自分の変化に全く気付かない場合もありますが、本人も自分の異変に気が付いてしまったら不安な気持ちになっていることでしょう。大切なのは常に笑顔で接してあげること、わかりやすい言葉と優しい言葉で話しかけてあげることではないでしょうか。

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4月 20, 2020
利用者の認知症の症状に対する基本的理解

認知症は、認知機能が低下することから発症します。認知機能が低下する原因は3つあります。1つ目は、他の病気によって認知機能に影響を及ぼす身体的要因です。2つ目は、長年勤めてきた仕事を退職したり、子供が自立したり、配偶者の死などの喪失体験による心理的要素です。3つ目は、単身で暮らしていたり地域社会との関係が薄れて孤立したりする環境的要素です。これらの原因から認知機能が低下していき、認知症の発症につながります。

症状としては、物忘れや徘徊、幻覚など多岐にわたります。周囲の人が症状をなかなか理解できずに、介護のときについあたってしまうケースもあります。しかし、本人は何も悪くないのです。むしろ、認知機能が低下していくことに戸惑ってしまうこともあります。認知症と診断されても、利用者本人の心が喪失したのではありません。

認知症のケアとしては、積極的なコミュニケーションと見守りや観察ケアが重要です。コミュニケーションは頭の回転にもなりますし、本人の体調を直接聞くことができるチャンスです。認知症のためあいまいな答えが返ってくるかもしれませんが、反応などで異変を感じ取ることもできます。日頃のコミュニケーションは非常に大切なのです。そして、見守り・観察ケアは、ベッドからの転落事故や徘徊防止に役立ちます。ベッドからの転落や徘徊は、怪我や死亡事故の原因にもなりかねないため、見守り・観察ケアは決して怠ってはいけません。

高齢化が進んでいることで、認知症の高齢者の数も増えています。認知症は身近な人や自分もなりうるので、しっかりと理解する必要があります。認知症の利用者への正しい接し方や介護の方法を把握して、適切なケアを提供できるよう努めましょう。

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