介護職が働く施設で最も多いのが、高齢者施設です。その高齢者施設での大きな仕事として、認知症ケアが挙げられます。認知症は、一度かかってしまうと完全に回復するのは難しいといわれています。しかし、ケアの仕方によっては若干緩和させたり進行を遅れさせたりすることができるでしょう。認知症の進行を緩やかにしたり、認知症の方のQOL向上をサポートしたりするために必要なことは、認知症に関して正確な知識を得ることです。

認知症ケアに対する正しい知識を身に着ける方法の一つに、認知症関連の資格を取得するという方法があります。2019年の時点では、認知症ケアに特化した資格や認定制度は、国家資格や都道府県資格にはありません。しかし、いくつかの民間資格があります。

認知症ケア指導管理士は、一般財団法人職業技能振興会が主催する資格です。これは、認知症ケアに関して専門性の高い知識を得られる認定資格を指し、初級と上級が存在します。認知症ライフパートナー検定試験は一般社団法人日本認知症コミュニケーション協議会が主催しており、1級から3級まであります。 認知症予防活動支援士は一般社団法人元気人が主催しており、1級と2級があります。そのほかにも、認知症ケア専門士は、一般社団法人日本認知症ケア学会主催などがあります。

認知症介護に特化した資格は新しく作られた資格が多く、介護職が働く業界でも認知度の低さが欠点です。しかし、認知症介護の資格を有していることは、認知症および認知症ケアの基本をしっかり学んでいる証明になります。主な職場としては、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホーム、有料老人ホームなどが挙げられます。