認知症は本人はもちろん、家族にとっても深刻な問題です。認知症になってしまった家族と同居している場合には、毎日の生活が患者本人の症状の程度によって大きく変わってしまいます。暗い気持ちになってしまいがちですが、正しくコミュニケーションをとることによって、その後の生活は大きく違ってくることをご存じでしょうか。

認知症の高齢者と正しくコミュニケーションをとる方法にバリデーションがあります。簡単に言えばどう向き合って認知症ケアしていくのかということ。それは、よく話を聞いてあげることです。「認知症だから意味の無いことを話しているのだろう」と決めつけないことが大切です。

次に相手のペースに合わせること。相手が楽しそうだったらこちらも楽しく、悲しそうだったら悲しいことをわかってあげましょう。何を言っているのとか叱ってはいけません。また、押し付けないことが大切です。認知症の方は行動が鈍く、遅くなることがあります。それを急かしたり遅いことを叱ってはいけません。相手のペースをよく考えて言葉を選びましょう。最後に、大切にしたいのが「嘘はだめ」ということです。何もわかってないのだろうとそれとなく誘導して言うことを聞かせようとしてはなりません。

嘘もいけませんが、相手の要望をはぐらかすような誘導はしないようにしましょう。基本的に認知症の方は自分の変化に全く気付かない場合もありますが、本人も自分の異変に気が付いてしまったら不安な気持ちになっていることでしょう。大切なのは常に笑顔で接してあげること、わかりやすい言葉と優しい言葉で話しかけてあげることではないでしょうか。